ドクターKのこだわりコレクションをご紹介します。
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クリフォード・ブラウンはおそらくジャス史上最も才能に恵まれていたトランペット奏者。その全盛期のマーキュリー時代の録音を集大成したのがこの全集。1989年に発売され、その後再発のない貴重なセット。別テイクも多数収められている。
クリフォードは1950年代前半のハードバップ時代に活躍し,「ブラウニー」の愛称で親しまれた。アート・ブレイキーに抜擢され、『A night at Birdland』で表舞台に衝撃的なデビュー。その後、ドラムの巨匠マックス・ローチと双頭クインテットを結成し、数々の名演奏を行った。ところが1956年6月、キャリアの絶頂期に交通事故により25歳の短い生涯を閉じた。その笑顔からも偲ばれる気さくで温厚な人柄は誰にでも愛された。あまりにも早く訪れた彼の死は皆に惜しまれた。ベニー・ゴルソンによる追悼曲『I remember Clifford』も残されている。
ブラウニーの演奏はその流れるようなアドリブラインに魅力がある。湧き出る泉のごとく饒舌なソロを繰り広げる奔放なインプロビゼーション。叙情的なフレーズはどこまでも流麗で、朗々とした歌心を披露する。どんない早いフレーズでも乱れることがなく、アップテンポで激しいソロを繰り広げる。天性の資質なのだろう。天才の名を欲しいままにした彼の真骨頂が上の全集に記録されている。正確無比なドラミングのマックス・ローチのサポートも見逃せない。
全集には、ローチらとのクインテット演奏、マーキュリーのお抱えジャズマン達とのジャムセッションの他、3人の歌姫のためのサイドマンとしてのセッションも含まれている。中でもハスキーボイスのヘレン・メリルとの滴るように艶やかな競演が聞きもの。『You'd be so nice to come home to』などは、誰でも一度は耳にしたことがあるだろう。もちろんブラウニーの素晴らしい演奏は、個別のCDでも味わうことができる。お薦めは『Helen Merrill & Clifford Brown』以外に、『Clifford Brown and Max Roach』と『Max Roach and Clifford Brown in Concert』あたり。
それにしても、将来を嘱望されながら早逝してしまったジャズマンの何と多いことか。私見でもう少し長生きしてほしかったと思うのは、ブラウニーの他、ベーシストのスコット・ラファロとピアニストのエディー・コスタ。いずれも死因は交通事故。不慮の早世がなければ、その後どんなに素晴らしい演奏を残してくれたであろうと思うと、誠に残念でならない。
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日々の外来診療の傍ら、周囲の目に隠れて密かに集めたこだわりのコレクション。未視聴、未読のCD、DVD、本の山に囲まれながら、人生の残り時間を考える毎日。
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