ドクターKのこだわりコレクションをご紹介します。
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名盤の誉れ高きモントゥーの「英雄」をようやく入手した。
1962年、アムステルダムコンセルトヘボー管弦楽団とのスタジオ録音。1875年生まれのモントゥーは当時87才(!)で最晩年の録音。しかしこの演奏には老いが全く感じられない。
モントゥーといえば、ラベルの「ダフニスとクロエ」やストラビンスキーの「春の祭典」を初演(!)した指揮者。フランスものやバレエ音楽などが得意という印象があるが、必ずしもそればかりではなく、ベートーベンなどのドイツ系音楽でも多くの名演を残している。いくつか映像も残されているが、小柄でいかにも好爺という感じで世界中のファンから愛されていた。当地のサンフランシスコ響で音楽監督をしていた時期もあり、「幻想交響曲」などの名盤がある。
このモントゥーの「英雄」はすべてが絶妙なバランス感覚で演じられている。各音がスコアに極めて忠実に再現されているが、それでいて快適な躍動感も失われておらず、曲全体の造形が見事で、豊かな味わいと風格にも事欠かない。例えば、第一楽章のコーダ途中のトランペットの処理。ワインガルトナー版を聞き慣れた耳からすると一瞬「あれ?」と思うが、力強さの不足した感じが全くしない。音楽彫琢の名人であったモントゥーの真価が発揮されている。
このCDには後半に第二楽章のリハーサル風景が録音されている。残念ながらフランス語なので何を言っているのかわからない。でもモントゥーの声はハリがあり溌剌とした若々しく、とても87才の老人とは思えない。
メンゲルベルグなどの起伏の激しいロマン主義的な解釈とは対極にある、純粋に曲本来の姿を導きだす自然体の演奏。極めて良い意味での中庸。これなら繰り返し聞いても飽きない。「英雄」という曲の素晴らしさが素直に伝わってくる。クライバー(パパ)のコンセルトヘボーの「英雄」とともに私の愛聴盤になりそう。
Dr K
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日々の外来診療の傍ら、周囲の目に隠れて密かに集めたこだわりのコレクション。未視聴、未読のCD、DVD、本の山に囲まれながら、人生の残り時間を考える毎日。
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