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ドクターKのこだわりコレクションをご紹介します。

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ついに入手。Mosaic Recordsのナット・キング・コール トリオ キャピタル録音全集、18組のCDセット。ポップ歌手としてではなく、もっとジャジーな活動をしていたころのナット・キング・コールの美声とピアノ演奏。例えば、こんなスィンギーな曲が収録されている。

Nat King Cole: Just You, Just Me

1991年に発売され、同年のグラミー賞を獲得。全世界で限定発売された1万セットは早期に完売された。いったい日本には何セット輸入されたのだろう。

購入の値段ですか。聞かないでください。

Dr K
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40年代から50年代にかけて、女性ジャズボーカルの黄金時代があった。サラ・ヴォーン、エラ・フィッツジェラルド、カーメン・マクレエ、ダイナ・ワシントンなど、名立たる歌姫たちが活躍していた。歌唱の完成度ではサラ・ヴォーンが最高だったが、私は一風変わったアニタ・オデイがお気に入りである。アニタは40年代後半にジーン・クルーパ楽団の専属歌手となり、その後スタン・ケントン楽団に移籍、50年代中頃に独立しソロ活動をするようになった。

アニタの歌は、いわゆる即興性に重きを置いた器楽的な唱法。ジャズスピリットに溢れた自由で奔放な歌を聴かせた。多少の音程の悪さを自分の唄の魅力に変えてしまう巧みなテクニックを持ち合わせていた。姉御肌の性格で、サイドマン達との即興的なやり取りを楽しんだ。

上の写真は、彼女の全盛期にあたるヴァーブ時代の録音を集大成したMosaic Recordsからの9枚組のCDセット。Anitaの歌唱の魅了のすべてがここに蒐集されている。正規発売の時期を逃してしまったため、中古市場などで長らく探していたが、激しい争奪戦の末、この度ようやくKコレクション入りを果たした。


 

『真夏の夜のジャズ』という映画をご存知だろうか。ロードアイランド州のニューポートで毎年開催されるジャズフェスティバルがあり、1958年の同フェスティバルの模様を映像記録したジャズマニアの必須品。ジミー・ジュフリーの奏でる『Train over the River』の印象的なイントロから始まり、当時のキラ星のようなジャズ奏者が次々に登場し、聴衆を沸かせる。ジュリー・マリガン、チコ・ハミルトン、ジム・ホール、ソニー・スティット、ダイナ・ワシントン、ジョージ・シェアリング、セロニアス・モンク、サッチモなどの演奏を「観る」ことができる。往年のジャズファンにはたまらない。この映画の前半の山場でアニタが登場し、スタンダード2曲を披露する。彼女の歌唱の特徴と魅力がわかってもらえると思う。

Anita O'day in Jazz on a Summer's Day


 

アニタのCDを一枚選ぶとすれば、『Anita Sings the Most』(写真左)か『An Evening with Anita O'day』(写真右)が気に入っている。前者はオスカー・ピーターソンカルテットがバックを勤め、後者のサイドマンにはバーニー・ケッセルやタル・ファーロウなどの一流のミュージシャンが加わっている。共演者との即興的なやり取りを本当に楽しんでいるアニタの様子が伝わってくる。

Dr K
MJQ
 

年齢とともに音楽の嗜好も変わってくる。若いころはハードなフリージャズなども何の抵抗なく受け入れることができていたが、やがて落ち着いた閑やかなムードの曲が好ましくなってくる。後期インパルス時代のコルトレーンなどは偉大な作品であることはわかるが、いつも聴くとなると胃がもたれてしまう。モダンジャズカルテットを聴いていると、疲れた心が癒される。

モダンジャズカルテット(MJQ)は1952年、ディジー・ガレスビー楽団の4人のメンバーにより結成された。モダンドラミングの開祖であるオリジナルメンバーのケニー・クラークは惜しくも早期に退団したが、ピアノのジョン・ルイスとバイブラフォンのミルト・ジャクソンが中核となり、スタンダードナンバーを独特な手法でアレンジした数々の佳演を聞かせた。

編曲を担当したのは音楽監督のジョン・ルイス。彼のアレンジの基本はクラシック音楽の作曲法。クラシックの格調の高い手法とジャズの精神を融合させることに情熱を注いだ。サードストリームミュージックの主催者でもあった。MJQの音楽をしばらく聴いていると、クラシックの室内楽曲でも聴いているような錯覚に陥る。主張の強いホーン楽器を含めず、ミルト・ジャクソンが流麗で洗練されたバイブラフォンのソロを奏でる。実に心地よい。音楽鑑賞をクラシックから始めた私も、ジャズの聴き始めはMJQとビル・エバンスであった。何ら抵抗なく入門することができた。

彼らの秀作は、初期のプレスティジ時代とその後のアトランティック時代に集中している。プレスティジ時代の傑作は『Django』と『Concorde』。全集は数年前に発売されている(写真上右)。昨年、ついに待望のアトランティックのコンプリートコレクションがMosaic Recordsより発売された(写真上左)。5000セット限定発売のCD7枚組であり、二度と再発されることはない。蒐集番号も譜ってあり、私のセットは184番である。

The Modern Jazz Quartet

MJQは1974年に一度解散したが、1984年に再結成され、往年の名カルテットぶりを披露、古くからのファンを喜ばせた。その後、メンバーは次々と鬼籍に入り、最後に残ったパーシー・ヒースも2005年に亡くなった。何か一つの時代が終わったような気がした。一度はMJQの実演に接してみたかった。

Dr K


最近、オフィスでスタッフお気に入りのCDがこれ。玉をころがすような軽やかなピアノ。いくら聴いても飽きないとの評判。確かにそうだ。

アーマド・ジャマル。皆さんはこの名前を聞いたことがあるだろうか。50年代後半にシカゴを中心に活躍したマイナーなジャズピアニスト。1930年生まれというからもう81才のはずだが、今も現役で活躍しており、この12月にもサンフランシスコにやってくる。

50年代後半、まさに昇り龍の勢いであったかの帝王マイルスに気に入られ、彼のグループに加入するように勧められたが、なぜかジャマルはそれを断った。それでいて、当時のマイルスはこの無名のピアニストに音楽的影響を受けたことを否定しない。そう言えば、当時のマイルスの曲にどことなく似ているかもしれない。

アーゴというレーベルが、この頃のジャマルのジャズクラブでのセッションをライブ録音した。それを含めたジャマルのアーゴ録音を集大成したのがこのCD箱。Mosaic Recordsから全9枚組のコンプリートセットとして限定発売されている。

流麗なピアノというとオスカー・ピーターソンなども該当すると思うが、オスカーの音楽は数枚のCDを立て続けに聴くと、雄弁すぎて何となく食傷気味になってしまうのに、ジャマルのピアノは本当に不思議と飽きがこない。この違いは、おそらく良い意味でのジャマルの音楽の「軽さ」なんだろうと思う。タイミングの取り方に実に独特の間があって、それが絶妙なスイング感を生み出す。カクテルを傾けながら聴く洒落たジャズピアノを探している人にぴったりな音楽。

ジャマルのこの頃の演奏の様子をYoutubeで観ることができる。なぜか聴衆の中に、ベン・ウェブスターやハンク・ジョーンズの顔も見える。緊張したジャマルの顔が面白い。

Ahmad Jamal Trio - Darn That Dream 1959

ジャマルの音楽に興味を持たれた方、お勧めのCDは「Complete Live at the Pershing Lounge 1958」と「Complete Live at the Spotlite Club 1958」。Amazon.comで入手できますよ。

Dr K



久しぶりにジミー・スミスのオルガンを聴いた。

最近英国で「eight classic albums」なるジャズCDが発売されている。このシリーズではジャズの名盤8枚分の演奏曲が4枚のCDに納められ、しかもそれが$6から$12の価格で販売されている。価格破壊もいいところだ。その昔、同じCDを1枚3000円前後でこつこつと買い集めたことを思うと複雑な気持ちがするが、ジャズに興味があり、これから少しずつ聴いていきたいという方にとっては絶好の企画かもしれない。

今回聴いたジミー・スミスはこのシリーズの中の一枚。50年代中頃、デビューして間もない頃のジミーの名盤が目白押し。ブルーノート最大のスターとされた彼の真骨頂を聴くことができる。それにしてもこの躍動するダイナミックなリズム感は圧倒的。3枚目の「At the Club Baby Grand」を聴いて思わず息がつまりそうになった。African Americanピープルにしか創造できない音楽がここにはある。

なおこの「eight classic albums」シリーズ、どの作品を聴いてもまず「はずれ」はありません。ジャズ入門者の方へのお勧めは、ブルーベック、MJQ、ウェス、ロリンズあたりでしょうか。

Dr K
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開業医
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コレクション
自己紹介:
日々の外来診療の傍ら、周囲の目に隠れて密かに集めたこだわりのコレクション。未視聴、未読のCD、DVD、本の山に囲まれながら、人生の残り時間を考える毎日。
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