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ドクターKのこだわりコレクションをご紹介します。

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ベートーベンの「英雄」は名曲である。私の最愛の曲の1つ。古今東西、数知れぬ録音があり、多くの名演が残されている。ベートーベンのオリジナルスコアを忠実に再現した演奏から、思い入れたっぷりに感情を移入した超ロマン的な演奏まで枚挙に暇がない。

「英雄」は交響曲(シンフォニー)の概念を根底から覆した革命的な曲。従来の交響曲とは宮廷やサロンで王族や貴族の「娯楽」のために演奏されるものだったが、ベートーベンはこの「英雄」でそうしたウィーンの伝統から「交響曲」を解放した。彼の旺盛な表現意欲が、既成概念の枠をつき破った。鮮やかな動機の提示とその展開をきかせる第一楽章、第二楽章の葬送行進曲とつづく第三楽章のスケルツュオのとの絶妙な対比、そして低弦による主題のうえに壮麗な音世界が構築されるフィナーレと、まさに「英雄」の名にふさわしい傑作である。

「英雄」は当初ナポレオンに献呈される目的で作曲されいたが、ナポレオンの皇帝即位の報に接したベートーベンは激怒し、献辞を抹消してしまった。激しい気性の理想主義者ベートーベンならではのエピソードである。

この革命的な交響曲の初演の時、聴衆の反応はいかなるものであっただろう。全編50分近い巨大な曲、娯楽とはほど遠く、激しく魂を揺さぶる未曾有の音楽を初めて耳にした聴衆の戸惑いが目に浮かぶ。そんな初演の様子を再現した映像がある。イギリスBBC作成の「Eroica」という映画(写真上)。

出演者は皆イギリス人であり、話す言葉もブリティッシュ英語、またストーリーもいかにもフィクションという感じだが、クラシックファンにとって非常に興味深い内容である。何よりも映画の中で「英雄」を演奏しているのが、ガーディナー指揮、オルケストル・レヴォリュショネル・エ・ロマンティク。数々のレコード賞に輝いた彼のベートーベン演奏が再現されている。オリジナル楽器の長所が最大限にいかされている。




一方、モダン楽器を使用したフルオーケストラの演奏の映像でお勧めなのは、カラヤン指揮ベルリンフィル、1982年ベルリンでのライブ。オーケストラ創立100年を記念して行われた演奏会の録音。この演奏はとにかく凄い!

当時、確かカラヤンとベルリンフィルは、楽団創設以来初めての女性(ザビーネマイヤー)の入団をめぐって確執があったはず。だが、ひとたび演奏会を迎えてしまうとそんな確執も関係無し。当時のベルリンフィルはそれぞれの楽器のスタープレーヤーが勢揃いでその頂点にあった頃。強者どもがカラヤンと激しいバトルを繰り広げる。なかでもコントラバス首席のウィットの演奏に注目。一部マニアの間では「コントラバスきのこ」と呼ばれている人。こんな熾烈きわまるベースの演奏みたことない。「カラヤンの演奏は表面的に磨かれているが中身に乏しい」という人、この演奏を観ればその先入観が変わるに違いない。私にとり、CDとDVDを含めて現時点での「英雄」の最高の演奏がこれである。

カラヤンの「英雄」は他にも多数発売されているので、くれぐれも間違いのないように。上の写真のカバーのDVDですよ。

Dr K
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日々の外来診療の傍ら、周囲の目に隠れて密かに集めたこだわりのコレクション。未視聴、未読のCD、DVD、本の山に囲まれながら、人生の残り時間を考える毎日。
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